ガラスの基礎知識/歴史編

ガラスの歴史は古く、紀元前4000年より前にエジプトやメソポタミアで二酸化ケイ素の表面を溶かして作製したものが最初だと考えられています。 当時は、陶磁器や青銅器を作る時の材料として使われていました。 天然ガラスはそれよりも前の石器時代に、溶岩がガラス状に固まった黒曜石と呼ばれるものを使用した、石包丁や矢じりとして利用されていました。 紀元前1500年ごろになると、エジプトでは粘土の方に流し込んで器を作るコア法によって最初のガラスの器が作られたとされています。 紀元前1世紀ごろには、エジプトで宙吹きと呼ばれる製造方法(技法)が発明され、花瓶などがつくられるようになりました。 この技術は、ローマ帝国に伝わり、器が大量に生産されるようになりました。さらにこの時期にガラス窓が誕生しています。 この技法は、現代においても基本技法となっています。 5世紀ごろになると、シリアでクラウン法と呼ばれる製造方法が生み出されました。 この手法によって、平板状のガラスが製造されるようになりました。 一時は停滞するものの、19世紀までに数多くの発見・発明がありました。 現在は、ゾルゲル法が考案され、従来では考えられなかった用途で製造できるようになりました。 これにより、ガラスは、食器や窓以外に、電子機器や光通信などの分野で重要な役割を果たすようになりました。